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貴家 恒男; 萩原 幸
Polymer, 28(10), p.1915 - 1921, 1987/10
芳香族ポリサルフォン(PES,U-PS)、ポリエステル(U-Polymer)、ポリアミド(A-Film)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)についての酸化雰囲気での照射効果の検討を行った。空気中・線線量率10KGY/hで照射した場合、比較的低線量(短期間)で劣化するPES,U-PS,U-Polymerは高線量率の電子線照射の場合とほとんど同じ劣化挙動を示したが、A-Film,PEEKでは高線領域で急激な劣化を起した。これは酸化層の厚さが長時間照射で内部まで拡大するためと結論した。酸素加圧照射の場合はすべてのポリマーは高線量率電子線照射の場合の1/5~1/10の線量で劣化した。ポリマー内部まで放射線酸化が起きたためである。酸素加圧下で照射したPEEKについて、動的粘弾性測定を行った。線量と共にガラス転移温度が低下すること、結晶化に帰因する'分散ピークは低温に移動しつつ、その強度を増加することから、酸化雰囲気照射では主鎖切断のみで劣化すると結論した。
貴家 恒男; 早川 直宏; 吉田 健三
Polymer, 28(2), p.236 - 240, 1987/02
被引用回数:20 パーセンタイル:70.16(Polymer Science)電子線照射した芳香族系ポリスルホンの動的粘弾性測定を行った。-100C附近の分散は水分のあるなしによっても影響を受けるが、照射によってさらに大きな変化を受ける。このことは水分が吸着するサイトである-SO-部分が崩壊することを意味する。40C附近からガラス転移温度直下の温度域で力学損失が線量と共に大きくなった('分散)。この'分散は水分のあるなしには影響されず、熱処理によって影響を受けた。主鎖切断により生じた切断末端がポリマー鎖のパッキング状態を要化させたために現れた分散と決論した。分散(ガラス転移)温度は線量と共に低温にシフトした。主鎖切断のために分子間力の低下が起きたことを示す。,',分散挙動の変化から、ポリスルホンは主鎖切断によって劣化し、切断点は-SO-部分であると結論した。
貴家 恒男; 萩原 幸
EIM-84-132, p.37 - 46, 1984/00
ポリイミド,ポリ(エーテル・エーテル・ケトン)PEEKなど11種類の芳香族系ポリマーを酸素圧0.7MPa下で510Gy/mの線量率の線を照射し、酸化雰囲気下での劣化挙動を主として引張り試験により検討した。芳香族系ポリマーも酸化雰囲気では劣化が促進され、真空中照射に擬せられる電子線照射の場合と較べて約1桁低い線量で劣化することがわかった。しかし放射線に対するポリマーを構成するユニットの安定性の序列は電子線の場合とは変らなかった。PEEKについての粘弾性測定から酸化雰囲気では架橋は起らず、もっぱら主鎖切断で劣化が起ることが実験的に確かめられた。また、構造の異なるポリイミドの耐放射線性の相互比較からも、電子線照射の場合は主鎖切断と同時に架橋も起るが、酸化雰囲気下では架橋は起らないことが示唆された。
貴家 恒男; 早川 直宏; 吉田 健三; 萩原 幸
EIM-83-130, p.37 - 46, 1983/00
主鎖が芳香環で構成されている9種類の全芳香族系ポリマーを最大12000Mradまで電子線照射し、引張り特性の変化を指標として耐放射線性の評価を行った。放射線劣化は伸びの低下に最も良く反映され、線量と共に低下した。線量と伸びの低下の関係および化学構造を対比させることにより、芳香環を結び合せている結合様式の耐放射線性のおおよその序列が明らかとなった。すなわち、イミドエーテル、ケトンアミドビスフェノールAスルホンである。また比較的低線量で劣化するU-polymers Udel-polysulfone(U-ps)について照射後の動的粘弾性測定を行なった。その結果、劣化は主として主鎖切断により起ること、U-PSではスルホン基部分で主鎖切断が起ることが明らかになった。